凸凹タイプのニキビ跡は、その広がり方、深さ、発症部位などから、様々なタイプに分類され、その様々なタイプが、肌の上で複雑に交じり合っています。そのため、安易な画一的治療では治すことができません。また、タイプにより瘢跡が形成されている層が異なるため、患者様の症状、肌質(皮膚の厚さ)に応じた治療が必要となります。
さらに、凸凹タイプのニキビ跡は、肌の深い部分である真皮層や皮下脂肪層にまで炎症が広がり、瘢跡が作られ、非常に複雑であるため、表皮に作用する治療のみでは効果を望めません。また、レーザーなどによる皮膚の深い部分の治療も、単独で行うのでは効果に限界があります。
患者様お一人おひとりの症状や肌質を見極め、その方に合った複合治療を行う必要があります。
角質を薄くして、皮膚のターンオーバーを促進させる治療には、ケミカルピーリング、レーザーピーリング、トレチノイン療法があります。
ケミカルピーリングは、剥離する皮膚のレベルにより4段階に分けられます
- 角質層のみに作用する「Very Superficial Peeling」
- 表皮のみに作用する「Superficial Peeling」
- 真皮層まで作用する「Medium Depth Peeling」
- さらにその下層まで達する「Deep Peeling」
当院では、効果やリスクの面から、「Superficial Peeling」「Medium Depth Peeling」に限定して治療を行っています。
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※「Very Superficial Peeling」は、角質層までのケミカルピーリングです。厚生労働省の報告によると、グリコール酸の場合「pH3.0以上、濃度10%以下」であればエステティックサロンでも行っても良いのでは? との見解が示されています。当院では「Very Superficial peeling」は、効果が期待できないため行っておりません。また、「Deep Peeling」は、日本人の皮膚には不向きで、色素沈着を起こしたり、跡が残ったり、中には、数年間に及んで肌に顕著な赤みを残すなど、トラブルを招くことがあります。そのため、当院ではDeep Peelingは行わず、同等の効果が期待できて、尚且つ安全な施術であるアンコアをお勧めしています。
アンコアについて詳しくはこちら
「Superficial Peeling」は、薬剤を皮膚の基底層まで浸透させるピーリングで、薬剤としてはAHA、サリチル酸、TCA(10%~20%)を使用します。効果としては、表皮異形成、ニキビ、シミ、色素沈着の改善が期待できます。数回、繰り返して治療することが必要です。ダウンタイムは短く、ピーリング後は、ほぼ日常通りの生活が送れます。日本人の肌には最も適しています。
「「Medium Depth Peeling」は、薬剤を真皮乳頭層(真皮の上の方)まで浸透させるピーリングで、薬剤としては、TCA(35%~50%)、グリコール酸(70%)を使用します。表皮異形成、色素沈着だけでなく、しわ、ニキビ跡の改善にも効果的ですが、数ヶ月は肌に顕著な赤みが残ります。
レーザーピーリングは、MAXピールとMAXⅡピールというレーザー機器を用いて「Superficial Peeling」を行う施術です。